Essay

派遣会社に行ってみた

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今朝はくもりで、どんよりとした雲が流れていた。午後からは天気が崩れるという予報の通り、強い横なぐりの雨とシャーベットのような雪が混ざって冷え込んだ。暑さ寒さも彼岸までとかいうらしいので、3月20日以降は暖かい日が増えるのだろうか。あまり季節を意識せずに過ごしてきたなあ、とも思う。スプリングコートが欲しいと何年も思いつつ手持ちのニットやジャケットで乗り切れてしまうので、いつかいつかと先延ばしになっている。来年は冬のうちから真剣に探せたら、と予定している。

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市街地の派遣会社に面談に行くため、朝7時台に家を出た。ずいぶんと余裕を持って移動したので約束の1時間前までには場当たりを完了し、近くのドトールで時間調整することにした。ふだんとは違う朝早くの時間帯は、仕事前に立ち寄ったような雰囲気のビジネスマンやOL風の方が多かった。おしゃべりに集まったご婦人たちというよりは、ひとりで過ごしている方がほとんどだ。

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けれども、いまどきどんなお仕事をなさっているかは見た目だけでは判断できないから、あれこれ想像するのはおもしろい。昨日、散歩がてらスーパーの近くを通ったら、面識のない方がそのスーパーは家屋破損のため休業中だと教えてくれた。親切だったそのご婦人は、専業主婦のような身なりだったけれど、在宅で仕事する敏腕プログラマかもしれない。それってものすごくおもしろいと思う。

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派遣会社での面談は、キャリア履歴を申告して意向を伝えるに留まった。求人も紹介いただいたけれども応募に至らなかったのは、まだ自分で納得のいくものでなかったからだ。目の前の給与にとびついてよいことは何も起こらない気がしたのが大きい。新しいデバイスやバックパックや靴など、物欲は湧いてきたけれども、まだ仕事に迷いがあった。

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きっと、2年ほど前までの自分であればとにかくやれそうなものという感覚で仕事を選んだけれど、いまはじっくり腰を据えて構えている。GACKTさんによると、仕事を選んでいるうちは二流らしい。自分で仕事を創り出せる人が一流という意味なのかなあ、なんて思いながら、まずは時間をどう使うか決めてみようかと、Googleカレンダーのログを振り返ることにした。あまり背伸びしないのが良さそうな気もしつつ、成長欲も捨て切れず、まだまだ先は長そうだ。