Essay

いつだってじゃがりこはおいしい

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GMOの光回線を2024年の2月末に申し込んだのだけれど、工事が必要ということで改めて連絡しますとのメールが入っていた。ネットワーク環境について疎いのでそんなものかなあと思っていたけれど、時期もあってか工事日程がなかなか確定しない。しばらくポケットwifiで家での通信をまかなっている。日本では4月が春で学生の入学式がある。企業に就職した新卒の場合は入社式が、勤続年数が長くなっても転勤等で引っ越しが多いのがこの時期だ。

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街に出ると、とても人が多い。そして、上機嫌な顔をしているようにも見える。自分もその一人ではあるけれど、暖かくなると行動的になるという動物にとってシンプルな仕組みについて単純で良いなあと思う。この頃は、カルピスやグレープジュースを炭酸で割って飲んだりして浮かれている。大人になると、食事のほかに栄養補給としてのおやつは理論上全く必要のないことなのだけれど、やっぱりおいしいから飲みたいし、じゃがりこだって食べたいものなのだなあと思ったりする。自分が高校生だったときの放課後に、友達とマクドナルドでだらだら話していたときに、よく思っていた疑問があった。ビッグマックやフライドポテトをおじいちゃんやおばあちゃんが買っていくのはなぜだろうということだった。

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きっと答えはおいしいから。そして、さすがに高校生の頃ほどは頻度は高くないにしても、わたしは相変わらずオレンジジュースとジンジャエールは飲むし、じゃがりこは食べる。そして、子どものときはお酒は大人の飲み物で何か特別な魅力があるに違いないと思っていたけれど、コンビニのガラス扉にならんでいるのは、果実のジュースと同じような味と口当たりの飲み物だったりする。

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なんとなく、特別と信じていることはすべて勘違いなのでは、感じるときがある。成人したあとは、人と接するときの便利な言葉の引き出しがほんのすこしだけ増えたり、夜に出歩いても怒られなくなったりするけれど、それは大したことではない。クラスメイトに毎朝遅刻してくるわたしのような人がいたかもしれないけれど、そういうことは仕事をはじめてからも出会う。頑張ってテストでいい点を取り続けたら、ものすごく素晴らしい世界が待っているのかと想像していたとしても、どうだろう。どんな日でもおやつはおいしいし、お風呂は気持ちがいいし、前髪が決まると気分がいい。そういうことだって、充分に素晴らしい特別な世界でもあり、日常という特別でない世界でもあるような気がする。歯があって良かった。