Essay

旅行ができない、それは世の中のせいではなく。

西加奈子さんの、「うつくしい人」を読んで、

思い出すことがありました。

旅行は楽しまなければならない、

日常を忘れ、楽しまなければ楽しまなければ、

という雰囲気にとらわれてしまうことがあることです。

団体旅行

わたしは、旅行が苦手です。

正確にいうと、誰かと一緒の旅が苦手です。

2016年頃、いまどき珍しい社員旅行なるもので、

沖縄に連れて行ってもらいました。

日程は2泊3日で、行き先は沖縄。

旅行好きの同僚は「パッキングする時点で楽しすぎる」とか、

「何着て行くか、水着はどんなのがいいか、

でも会社の人に会うから少しキッチリした方がいいのか、

靴はヒールとスニーカーも」

なんてあれこれ悩んでいたようでした。

出発の一ヶ月前にもなると、

職場は旅行の話題で持ちきりでした。

でも私は、水族館は見たいなぁとぼんやりと思うくらいで、

海に潜りたくはないから水着はいらないし、

ホテルは立派な所を用意してくれていたので、

飯の心配もないなあなんて思ったのでした。

でも、苦手だろうと旅行の日は近づいてきました。

周りのテンションを下げるのもなんだかなあと思い、

出発の1週間ほど前に「おやつの準備はできましたか?」

なんて渾身の力でポップに後輩に言ってみたら、

「可愛い発言!」なんて反応が返ってきて、

たじたじになってしまったり。

そんなこんなで出発2日前。

先輩と移動中に食べるお菓子を買いに行こう、

という話になり、職場近くのスーパーで集合しました。

ぼーっと付いていくと先輩がカゴに入れるのは、

チーズちくわなり柿の種なり。

「先輩、これ、お菓子じゃなくてお酒のつまみですよね」

って感じで、ほろ酔いで旅するひともいるんだなあと知ったりして、

新たな発見には面白さを感じました。

そして、出発の前日。

全然荷造りが進まないことに悩んでいました。

同僚のようにドライヤーを持っていくか、

ヘアアイロンがいるかどうかではなく、

必要と思うものが少なすぎる気がしたことに悩んでいました。

インナー3枚とサルエルパンツ1枚、

白シャツに黒Tシャツ、

靴はスニーカー1足履いて行くしサンダルは現地で買おう。

あとは、着た服をそのまましまうのが嫌なので、

現地で洗濯しよう。

そんなことを思って用意したら、

スーツケースが必要ない。

肩掛けバックにお菓子も詰めて、

もういいやーと眠りにつきました。

お土産を持ち帰るかもしれない、と、

がばがばのナイロンバックに服だけ詰めて、

ウエストポーチにiPhoneと5000円札を一枚。

クレジットカードをもっていれば観光地で困ることもないと

一応持ってはいったけれど、

そんな大きな買い物もありませんでした。

集合場所でも、空港の荷物検査でも、「

軽装すぎる!荷物が少なすぎる!」

と先輩や同僚に驚かれもしたけれど、

まあ、いいかという感じでした。

別にいいかな?

普通とは少しずれているのかもしれないけれど、

それがわたしなのだし、

変える必要もない部分かなと思っています。

それにしても、旅行って、

何をもっていけばいいのですか?

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