Medical note

経歴の振り返りを語ってみる[22歳]

00

仕事を探すときは、必ず経歴の振り返りやらスキルの棚卸しやら得手不得手の洗い出しをせざるを得ない。それは場合によっては、なかなか精神的にエネルギーを消耗することなので、やりたがらない人も多いのかもしれない。けれども、これからの方向性を考えるにはとても良いチャンスともいえる。

01

わたしは、’自分語りはあまり好かれない’と思って、出来るだけ話さないようにしてきたこともあった。けれども、自分から話してみないと相手も表面的なことしか触れてはいけないのだと捉えて関係が深まらないのでは、とも思うようになった。誰も自分に興味はないかもしれないけれど、ある人もいるにはいる、ということにして今までのことや嗜好を書いてみようとも思う。

02

22歳で日本の薬学部を卒業して、新卒で入社したのは医薬品メーカーだった。品質管理部門で、主に理化学分析を用いて出荷基準に適合していることを確認する仕事だ。イメージは理科室で白衣を着て試験管やフラスコを振っている感じだ。それと並行して、前年度まではなかった業務改善プロジェクトを企画・提案から実装まで行った。当時はプロジェクトなんてかっこのいい名前は無かったけれど、ぼちぼち作業者の愚痴やら雑談からニーズを抽出してみた。当然ひとりでは何も動けないので、上司に対外折衝を、先輩にアドバイスを、後輩に検証のための試験と報告書作成をお願いした。

03

具体的に何をしたかを平たくいうと、まずは自社での調製試薬を外注に切り替えた。作業時間の削減が狙いだった。量産体制を持っている企業から購入することで、分析者は解析などに労力を割けるようになるのでは、という仮説のもとスタートした。

また、メタノールやアセトニトリルなどの溶媒が入ったガロン瓶は廃棄所まで運搬することになっていた。これはラボ内のゴミ集積スペースにキャスター付きラックを置くことで、床置きの瓶をカゴに移し替えるという付随作業を減らした。

ほかには、微生物限度試験で用いるSCD寒天培地の購入メーカーの変更をした。もちろん、品質管理部門として監査済みのメーカーに限定した。それらを比較して見積もりを取り直しただけだった。価格は常に変動しているにも関わらず、昔から使っているからという理由だけの選定だったので、メーカー証明書を試験成績に添付することを条件として使用が許可された。

04

このような小規模の変更をちまちまとやっていって、幾許かのコストダウンにはなったと思う。それは分析者たちが楽になることでもあるから、子どもの迎えに間に合うようになっただとか、面倒ごとが減ったという声が届くようになって、嬉しい限りだった。

この話をするとすごいと言って頂けることもあるのだけれど、ほとんど協力者がいてくれたという運によるところが大きいとも感じている。運が良かったという言葉では軽く感じるので口にするのは、はばかられることもあるくらいだ。

にほんブログ村 その他ブログへ
にほんブログ村