Essay

紅葉も散る

00

気がつけば銀杏の葉がぱらぱらと散り始めて、風が冷たいから冬物のコートが朝晩では必要なくらいに季節がすすんでいた。世間ではマクドナルドの月見バーガーは終わったというし、スターバックスのアイテムは赤と緑のギフトグッズでいっぱいになっている。

01

仕事を再開して5ヶ月目に入った。出張に行って社外の方とお話しする機会も増え、社内会議の内容も自分ごとに思うようになってきた。相変わらずどうやって進めていこうかと悩んだりする。知っていて当たり前とされる知識が自分のなかで抜け落ちている現実をみて、焦ったりもする。

02

けれども、以前よりも回復が早くなった。回復とは、体力のみならず気持ちのゲージも含む。その方法は至ってシンプルで、なぜいままでおざなりにしてきたのだろうとも思うほどのことだったりする。

03

帰宅したら暖かいご飯をたべて、寝るとき用の服に着替えてよく眠る。ダメージが大きいと気がついた日には熱めの湯船で滴る汗を流す。そうすると自分でも笑ってしまうくらいに気分がすっきりして、体のだるさもなくなっているから不思議だ。悲しいことがあった日は立ち上がれないほどにスクワットをしたって良いかも知れない。

04

たくさんの出来事のなかで自分だけで解決できることは少ない。それは仕事だけではなくて、プライベートな問題に関してもいえる。至極当たり前なことと感じるひともいるだろうけれど、わたしは長いあいだ気がつかなかった。アクションを起こせば何かしら良き方に変わるかも知れないという淡い期待が常にあったのだけれど、今は程よく力を抜いて生活できていると思う。時間が解決する、という言葉の示すところは、時が経ってみないと感じ取れないものなのかもしれない、なんて思ったりもする。