Essay

欲ばりすぎない、のはむずかしい【欲望には際限がない】

00

欲望に優先順位をつけよ、

人間の欲には際限がないのだから、

という意味がわかってきたのは、

つい最近のことです。

01

この言葉は、バビロンの大富豪の教えという本だったような気がします。

02

小学生のころから、その日に感じたことや考えたことをノートに書くようなこどもでした。

それが大人になっても続いて、ひとに言いにくいこと、

伝える前に整理しておきたいときは、

2ページも3ページもすらすらと書いていました。

見返すことや公開することは想定しておらず、

ただ思考をアウトプットする手段だったのですが、

ふと、昔、どんなことを考えていたのだろうと思い、

ノートをめくってみることにしました。

03

わたしが24歳ころのノートには、1週間お金も時間も、

なにもかも、自由にして良いとしたら何がしたいのかが書いてありました。

日の出が見てみたい、

本をたくさんゆっくりと読みたい、

海辺でぼーっとしたい、

美術館に行きたい、

海外旅行に行ってみたい、

お弁当をつくってピクニックしてみたい、

晴れている日の午後は目一杯に街の散策をしたい、

夜は音楽のコンサートに行きたい、

ゲストハウスに泊まってみたい。

それらのどれも、すでにやってこれたなあという思いと、

ノートに書き出すほど大したことではなかったように感じました。

いつでもできそうなことばかり、

箇条書きで書かれていました。

でも、当時はフルタイムで仕事をすることを優先していました。

だから、「叶えたいこと」という

大掛かりなくくりで認識していました。

そして、欲しいものリストも書いていました。

ざっくりと100個は超えるくらいの商品名がありましたが、

ほとんど、いまは、要らないなあと感じるものばかりです。

きっと、まわりによく思われたいだとか、

かっこつけたい気持ちは、

ものすごく強かったのだと気づきます。

04

お金も欲しいし、キャリアも積みたい、

でもゆっくり休む時間も欲しい。

エステには行きたいし、

素敵な部屋で過ごしたい。

日本語以外も使いこなしたいし、

専門知識も欲しい。

とてもとても欲張りな自分が見えました。

何年も経ったいま、それらの記録を見ると、

他人事として冷静にみることができるのですが、

あまりにも欲しがりすぎていたようにも思いました。

時間が足りないというのも、当然の結果にみえます。

きっと、同時に欲しかったのだと思います。

でも、それは無理があるとどこかで分かっていた。

だから、すべてを手に入れようと本気で予定を組んだりはしませんでしたし、

ぼんやりと5年後はこんな自分でいたいなあ、

とイメージするに留まっていました。

でも、日々の指針にはなっていて、

イメージよりも長い期間がかかりましたが、

ずいぶんと経験はできたように思います。

不思議と、もっと頑張っておけばよかったという後悔もないです。

精一杯だったと、言い切れる時代を過ごせた気がするからです。

ハングリー精神はわるくないけれど、

自分のキャパシティーも考慮できるようになってきたので、

きっとすこしは大人として成長してきたのかもしれません。

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