Essay

スーツを買うのは決意がいると思う。

安い買い物でもない。

だから、手放すときもまた次のフェーズに進む、

覚悟がいるときなのかもしれない。

背伸びする

真っ黒のリクルートスーツをみると、

塾講師をしていたときのことを思い出す。

先生と呼ばれることは、なかなかに違和感がありながらも、

成績がどんどん伸びていく生徒たちを見届けるのは楽しかった。

大学の実習でシフトに入れない期間は、

手紙を書いてほしいと頼まれ、

励ましのメッセージを送ったりもした。

いま、あの子たちはどうしているのだろう。

また、紺のパンツスーツを見ると、

「仕事で若いならば、見た目くらいはきちっとせねば」と、

少々背伸びをして購入したときの気持ちが蘇ってくる。

ほかにも、転職するときの写真撮影のためだけに買ったジャケット。

人生何があるかイメージすることすら無駄にも思えるくらい、

決意とは違った未来になった。

どうやって手放すのか?

当時の細身のパンツはもう体型にあっていないし、

黒スーツはもうき倒したけれどずっと捨てずにいたもの。

スーツ専門買取業者に出すべきか、

量販店でリサイクルに出しつつ新しいものを買うか。

1着は持って置いて良いと思いつつ、

当面の間は必要無さそうとも思ったり。

なかなか踏ん切りがつかなかった。

エネルギーの消耗

ものの整理に使う時間と気力は、想像以上だ。

過去7回ほどの引っ越しのたびに、

荷物整理はしてきたつもりだけれど、

改めて書き出してみると、

管理しきれないほど所有していることに気づく。

彼らの行方

せっかくクローゼットから出したのだから、

いい機会だと思い、2-3日だしたままにしてみた。

何度も目にすることで、

これから取り置くのか手放すのか、

ゆっくり考えればいいと思ったからだった。

結局、4着のジャケットたちは売りに出すことにした。

ひとまず、車に運び入れて待機。

どこへ連れて行くかはこれから考えよう。

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