MUSIC&ENTERTAINMENT

100回の練習より1回の本番のほうが得るものが多い

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舞台には魔物がいる、なんて表現があるくらい本番のステージ上では突飛なことが起こる。モダンバレエをやっていたときは、早替えのときに誰かと衣装が入れ替わっていたり、いつもの練習では何の問題も起きなかった場面でぶつかったり、ジャンプで着地がうまく行かずに出遅れたりなんてことがあった。暗転するはずのときに照明が落ちないときは自分の判断で捌けたりしなくてはならない。何十年もバレエを続けている先輩方は全く動じないから、やっぱり経験に勝るものはない、というのは本当だと信じている。

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先日、はじめてフリューゲルホルンソロでイベント出演した。15:00頃に出番だったのだけれど、前日の夜からそわそわした気持ちがいっぱいで落ち着かなかった。普段よりも3時間くらい早めにベットに入り、落ち着こうとしたけれど、結局いつもどおりの時間になったりした。

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本番1週間前のピアノ合わせでは、「緊張しなさそう」と言われていたけれど、自分では心拍数が上がるのが分かる。ただ、顔に出ないので、ときに場慣れしているなんていわれることもあるけれど、毎回心配ごとは尽きない。

車で慣れない道を運転して、会場入りしたのは指定時間の5分前とぎりぎりだった。リハーサル室で音出しができるとはきいていたけれど、面識のない方々と同じ部屋にいるのは落ち着かないのが普通だと思う。管楽器は唇のコンデションで音の響きが大きく変わるので、ある程度吹けるようになっても、当日までコンデションが保たれているとはかぎらないのが難しいところだったりする。

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出番の15分前に舞台袖に待機に行くと、スーツを着た運営スタッフがマスクを一時的に預かってくれたり、誘導してくれた。この世の中でイベントができるのは、とてもありがたい。前後の演者と伴奏者はわりかし出番の直前まで雑談をしていて、ピリついた雰囲気は1ミリも感じなかった。

今回は発表会という名目なので、とくにカジュアルだったのかもしれない。コンクールで順位がつくような場面だったら、もっと緊張感があって殺伐としているのだろうか、なんて想像したりしていた。わたしの伴奏をしていただいた方はとても気さくで、ただ居てもらえるだけで落ち着いた。本番のアナウンスが入っていざステージに立つと、そこまでドキドキはしなかったように思っていたけれど、サビの前に譜面ずれて見えなくなって焦った。きっと冷静ではなかったのだと思う。

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多少ピッチがずれたとか、はりきって吹きすぎて後半はスタミナ切れしたとか、細かいミスはあるけれど、自己採点としては80点くらいの出来だった。会場の広さだったり、構造・客席の入り具合によって音の響きが全く違うので、ボリュームの調整は今後の課題だと思っている。もっと力を抜いて軽めに吹いても良かったと、動画を振り返って感じるけれど、やっぱり心拍数が上がった状態でそれができるかというと、なかなかむずかしくて面白い。これからもっと、やりたい曲や課題がみえたので、出てみて良かった。

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