00
目標は低く、志は高く、という言葉があります。
01
しかしながら、いまのところ、
わたしは志も低くていいと考えています。
あわせて、目標はもちろん低くていいし、
短期の目標だけでいいとも思っています。
02
そう考えたきっかけは、帰省でした。
実家に戻ると、かつて自分の領域として使っていた部屋には、
3つほどの箱の中に、薬学部生のころの講義プリントやノートがまだ、
残っていました。
不思議なもので、10年ほど経った今のほうが、
すんなりと内容を理解しながら読み進められます。
テストに合格しなければ!
という力みがなくなったのもあるかもしれません。
ノートはきっと講義中や、
テスト前に頭にいれるためになぐり書きしたのであろうもので、
やたらとだいじ!テストにでる!というフレーズばかり書いてありました。
きっと、担当の教授がいう要点を、
聞き逃さないようにメモしていたのだと思います。
03
たとえば、このような項目の解説が書いてありました。
- 毒物・劇物の定義と分類、毒物及び劇物取締法、中毒症状や処置、検出方法
- 大麻・あへんの定義、大麻取締法、あへん法
- 麻薬の定義
- 向精神薬取締法
- 覚せい剤取締法
- 放射性医薬品に用いられる放射性同位元素、局方収載放射性医薬品の適用、安全管理
- 発がん性物質の分類(IARC分類)
- 催奇形性物質、ダイオキシン類の定義・分類
これらは、薬物管理概論という科目でしたが、
これだけでもかなりボリュームがあり、
すべてを網羅するのは至難の業かもしれません。
当時は、出合うことばのほとんどが初耳で、
堅い専門用語の日本語の意味と英語での表記を覚えるのに必死で、
内容を仕事にどう活かすかというところまで考えが至りませんでした。
講義ごとに小テストを課している科目はそれらを、
定期試験はひたすらに過去問を解いて薬効薬理はほぼ丸暗記。
04
それでもわたしは、
学校に行ってよかったタイプなのだと感じています。
なかば強制されなければ、
卒業までやりきれなかったような気がするからです。
3ヶ月ほどの短期に行われる試験にまず合格する。
それだけをとりあえずは見て、
講義を受けていました。
もちろん、大学は知識を詰め込むだけの場所ではないし、
「学問」をする場所だという意見もあります。
そして、卒業したあとに仕事でどう活かすかが
もっとも重要だという認識はあります。
しかしながら、今後の方向性が定まらないならば、
とにかく少々背伸びをしてでも頭のスポンジに、
たくさんの知識を詰め込むときがあっても良いと思います。
そんな時期を過ごせたおかげで、いま、
経験のない分野の言葉に出合っても、
抵抗なく触れ続けられます。
きっとこれからも、自分の時間さえコントロールできれば、
どんな分野であっても学び続けられるのだとも思います。
それは、今後を生きていくうえで、
自分のアドバンテージとなるような気にもなりました。
モノを整理して、仕分けをして、廃棄するという一見、
事務的な作業が、あらゆることを考え、
自分の価値観や長所を認識するきっかけになることもある。
そんなことを思った日でした。
にほんブログ村