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タイトルだけをみると、子供向けに見えて、とっつきやすさはある。言葉選びも容易だけれど、実践するとなると難しいことが書いてある。表現が易しいことと内容の易しさはイコールではない。
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たとえば、予算管理について書かれた一節がある。
はじめは貯金に回すお金がなく、何かを我慢することになるだろう。昼食を外で食べずにお弁当を持参したり、映画館ではなく家で映画を観ることになるかもしれない。それで上出来!それだけで25ドルも浮かせられる。予算を守ろうとすることが大切なんだ。
13歳からの億万長者入門/ジェームス・マッケナ、ジェニーン・グリスタ、マットフォンテイン ダイヤモンド社
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たしかに、おこづかいが主な収入源のころは、車を買おうだとか100ドルの洋服を買おうだとか思わないだろうから、ランチをお弁当にするだけで貯めることはできるかもしれない。けれども、大人になるにつれてどのくらい働くと手に入る、という演算ができるようになったり、「これは必需品だから生活費だ」という感覚から高価な化粧品に手が出ることもある。「からだのためだから」と食材にこだわるあまり、食費が膨れ上がることもある。つまり、誘惑が増えるから理性的にコントロールするのがむずかしくなるように思う。
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わたしの場合、高校生のときにアルバイトをしたお金と祖父母や叔母からもらったお年玉を合算してフリューゲルホルンを購入した。そのときは実家暮らしであったから水道光熱費を気にすることも、食事代を浮かせるために外食を控えて自炊しようという発想もなかった。欲しいものに一点集中できたのは、生活基盤が安定していて自分で管理する必要がなかったからだ。けれども、大学生になり一人暮らしをはじめると、アルバイト代をすべて飲み会に使い切ってしまっては家賃が払えなくなるという状況におかれて、「管理」の難しさにぶちあたった。
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自分でお金を管理するようになってもう10年以上経つけれど、いまだに予算管理はうまく行かない。1000円くらいなら…3000円くらいなら…と予定にないものを支払う。月々の固定支出は把握できるようになったけれど、年間予算のなかで特別支出の予算化は本当に慣れない。賃貸物件の更新手数料や火災保険料、家電やiPhoneの買い替えも組み込まなくては、と思うけれどとりあえず支払えればいいという感覚になってくる。やっぱり予定を立てることもこなすことも苦手だから、さらにトレーニングが必要かもしれない。この本を読んで改めてそう思った。13歳で予算管理ができるのであれば、それは金額の規模にかかわらず素晴らしいことだ。
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