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美容室で髪色を変えるとき、白髪がちょくちょく出てきていると知らされた。白髪を生やせるほどに大人になれたのだな、と感じた。やっぱり東日本大震災に体験した、いつまで生きられるのだろうという思いは、なかなか消えない。だから、ここまで過ごせたことがすでに、ありがたいことだとも思う。
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このところ、アルバイトやパートという雇用形態ではなく、あくまでも正社員を目指す方へ、というエージェントに申し込んでリクルート活動してみた。そうしたら、わかったことがある。ジェンダーレスだとか個人の影響力がものをいう時代だとかいう主張はまだまだ浸透なんてしていない。黒のリクルートスーツで黒髪を一本にまとめて、飲み物を出されても相手が飲むまで自分は口をつけてはいけない、というルールは健在らしい。
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マナーは成り立ちを知ると無駄とは感じなくなるけれど、髪色だとか童顔だとかで評価されることは10年前と何も変わってないのかもしれない。
人の価値観は急には変わらないよな、とも思う。
そこで、30代を無駄に生きるなを読んだ。自己啓発本だとか生き方の知恵みたいな本は、突然に貪り読みたくなる。書いてあることは特別、目新しいことはない。それなのに、どうも誰かに指南してほしいという甘えが出てくるのかもしれない。
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堀江貴文さんが書いていることも、勝間和代さんが書いていることも、経験や具体的な提案は面白い。そして、試してみて自分には合わなかったと知ったり壁を感じたり、はたまた書いてある通りの現実になったり。わたしは、仕事とは相手が、よのなかが、求めていることを満たすことだという価値観を持っている。だから、相手が不快に思う身なりをしないことは最低限守るべきこととも理解しているつもりだ。
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割り切れないことを飲み込むのも、大人になる過程で通る階段のひとつ、という考え方もあるけれど、わたしは心がついていかないことはすぐに折れる。新卒でお世話になった温厚で有名な方を怒らせるくらい、気が短かった。それは行動力があるだとか興味の幅が広いだとかの裏返しかもしれない。どちらにせよ、自分を売り込むとなると、向き合わざるをえない自身の性質については、頑固すぎて笑けてくる。