Essay

たかが髪されど髪【美容室に行くことは心のメンテナンス】

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夏が過ぎてから今年度初のセーターを着た。道端には枯れ葉がぱらぱらと落ち始めている。

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美容室に行って髪色を変えてきた。黒髪からブリーチを3回くらいして金髪にしていたのだけれど、色がまばらになってきて気になりすぐに電話予約した。

その美容室は広告を出さない方針で、SNSでお店のアカウントをつくったりもしていない。クーポンが使えることもなく、お店のシャンプーやヘアオイルよりも無印良品のホホバオイルをおすすめされたりする不思議な場所だ。

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もう同じ美容室に通って10年を超える。そんなに長く付き合える美容師さんたちと出会えてラッキーだったと思う。

職種が変わっても、生活環境が変わっても、趣味や嗜好が変わっても、帰り道は気分が良くなっているのだから、ものすごくありがたい。

わたしにとって髪は、気分に大きな影響を与える要素のひとつだ。

メンテナンスする理由には、周りに清潔感があると思われたいからという欲求もある。

けれども、毎朝毎晩に鏡をみる自分の気分を保つためという理由がより強い。

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もちろん、髪の色や長さ・デザインは対して興味がない、というひともいる。

それは大切に思うものが違う、つまり価値観の違いだから興味がないことがわるいとは全く思わない。

だけれども、自分の髪を含めた見た目に自信がないひとは少なくないと思う。だから、他のひとにモデルみたいだと褒められなくても、自分が鏡をみて「なんか良いかも」と自ら褒めてあげることは大切なのではないかと思う。

「たかが服されと服」という本を10年くらい前に読んだなあなんて思い出す。

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よく、始めて一人暮らしをする人向けのお金の本や、お金を貯めたい人向けの本に美容室ではなく1000円カットを利用しよう!と書いてあったりする。

または、クーポンを利用して複数の店舗を使えば安く散髪できる!と勧めていたりもする。

けれども、自分の思い通りにならなかったり、微妙に前髪が気に入らない、というような心へのダメージはその割引に見合うのだろうか?

お金と自分の気分への影響とのバランスをすこしだけ落ち着いて考えてみるのも良いのかもしれない。

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