Essay

気分が上がる予定をいれた

01

雨がパラパラと降る日が続いて、部屋の空気も湿気っている。換気をしようにも雨が入ってきてしまうので、なんとなく気分がななめになりがちな季節が来た。冬物のコートのクリーニングも済んだことだし、制服だった頃なら衣替えの6月だ。できるだけ冬物はクローゼットの奥の方にしまって、いつでも夏物を着ることができるようにしたいなあ、なんて考えている。

02

ここ1年くらいヘアカラーもスタイルもあまり変えなかった。ショートからボブに伸びることはあっても、形を変えるオーダーをしなかったから印象はほぼ同じだと思う。普段は帽子をよくかぶるからそもそも髪型を気にするほどでもなかった。

けれども、5月の連休明けくらいからむくむくと見た目をどうにかかえたい気持ちが湧いてきた。だから6月は毎週のようにエステサロンだとか美容室に予約をいれてみている。まつげパーマなりフットジェルネイルなり、自分を着飾ることに興味は薄れていた時期が過ぎて、気分の上がることは自ら探さなくちゃという思いが強くなった。

03

きっとオフィスで事務的な仕事をしていたときのほうがお洒落の自由度は高かったのだろうけれど、自分の気分の抑揚と合わなかったのだから仕方ない。いまは派手な格好もカジュアルなアクセサリーも風土に馴染まないかもしれないけれど、制限のなかでいかに好きなスタイルをするか考えるのは楽しいのかもしれない。

だれかにハッピーにしてもらっちゃう日もまだまだたくさんあって有り難いのだけれど、バッドなときもセルフで気分を上げる術を持った人でありたいとも思う。

04

服装も髪型も周りはさほど興味がないとしても、自分が鏡を見たとき、つま先を見たとき、それらが整えてあったら気分がいい。清潔にしてメンテナンスできている、という心の余裕もうまれる。インスタ女子を嘲笑うような界隈もあるけれど、ほどよく距離を保って、きらびやかな人たちをリスペクトする気持ちはずっと持っていられたら良いな、と思う。きっと、スタイルキープのための工夫がたくさん生活のなかにあると思うから。

内面が外見にでる。それは年齢を重ねるほどに真実味が増していく気がする。