00
高校の修学旅行でカナダに行ったとき、クレジットカードは持たずに現金をいくらかカナダドルで持っていき、ほとんど使い切った。とはいえ、少々のコインは残っていた。その後、頻度高く海外旅行や出張に行くこともなく、引っ越しの度に持ち運びを煩わしく感じていたので、改めて処分の方法をWeb検索してみた。
01
まずはスタンダードな手段として、銀行で両替をすること。これはもちろん手数料がかかり、10ドルに満たないコインをわざわざ両替しにいくのは気がひける。次にヒットしたのは、ポケットチェンジというサービスだ。主要空港や駅に設置されている装置に外貨を入れると、希望の電車マネーやクーポンに交換できるようだ。これは良いと思って他の用事のついでにやろうと、重い外貨を持ち歩いたけれど、カナダドルは対象外だった。バーツや米ドルなど日本での利用者が比較的多いとみられるものに限られているようだ。
02
次はもう、廃棄に近いけれどとにかく手放す方法はないかと検索したところ、ユニセフが外貨募金をしていると知った。募金箱は近くに見当たらないので、郵送することにした。公式HPによると、普通郵便(小包)で品名にメタルと書けば良いと指示が書いてあったので、そのようにして郵便局へ出向いた。そうしたら日本円のコインではないことが確認され、カナダドルであることを受付にみせたけれど、担当に確認を取りたいと待ち時間が生じた。たしかに、日本円であれば現金書留でなくてはならないけれど、外貨は別だという認識だった。
03
確認後に戻ってきた受付スタッフからは、日本円と勘違いされて返送される可能性がありますと告げられた。可能性がないとは言い切れないというのは便利なフレーズだから返送されてきても文句はいわないことにする。送料は今回210円で切手を貼って、一応回収はしてもらえた。なんとなく、募金したとなると良いことをした気になれるのが不思議だと感じた。旅慣れている方や国外を知っている方には当たり前なのだろうけれど、カナダドルは日本国内でほとんど意味をなさない。逆に考えれば、日本円の現金の札束をタイに持っていったとて、両替してくれるサービスや人がいなければ何の役にも立たない。
04
過去にわたしが大切なものとして教えられてきた日本円は、一歩国外に出た時にどのくらいの価値があるのだろう。お金は信用だと聞くけれど、みんなが価値あるものとして信じているからあのメタルや紙幣が役に立つ。けれども、あんなの紙屑だとか金属片だとかいう話を主に日本国内で生活する人々が信じはじめたら、また物々交換の時代に戻ってしまうのだろうか。当たり前に接するお金は、それ自体に価値がある訳ではないみたいだ。よく分からないけれど。
にほんブログ村