Essay

服選びはノームコアらしい話

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わたしが今月知った言葉のひとつに、NormCoreという言葉がある。装いについて、こだわりを持って選び着こなすけれども、至極普通っぽい感じのことだという。かつては、仕事で着る服を選ぶことが頭のリソースを消費するので、毎日同じような格好をすることが良いというブームがあった。それを制服化といったり、ジョブズスタイルと呼んでいたけれども、2023-2024年ではちょっぴり個性をプラスした感じになっている。シンプルを突き詰めることに少し飽きてきた人から、派手すぎない主張をしはじめたのかもしれない。Instagramでは、映えではなくリアルのような写真や映像を投稿する流れにもなっているところから、利用者は背伸びがパワーのいることだと気づいたのかもしれない。

02

服装というのは、個人の好みで行う自分がどう見せたいかというお洒落目的の他に、外部からの印象をある程度コントロールする目的であったり、あるいは心地よさや防寒などの目的であったりもする。だから仕事にいく時の服装というのはどんな相手と接するか、どういう印象があると有利に働くかということを考える場合もある。この、考えるという工程が人の脳力を使うので、ときに疲れを感じたり、面倒と感じることもある。

03

選ぶことを楽しみと感じたり得意と気づき、それを仕事としている方はスタイリストやコーディネーターをしているのかもしれないけれど、その他の多くの人がUNIQLOか無印良品でほとんどを揃えたいとかんじているのだろうか。あまり自分は流行りを積極的には追いかけなくなったから疑問なのかもしれないけれど、そのような性質でもなるほどと感じとれるのだから、大きな変化なのだろうと思う。

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いつの時代もきっと、ギャルを貫いたり無関心で服は自分で買ったことがないひとはいただろう。けれども、服の流行りの変化を感じる度に思うのは、人がずっと同じ価値観でいることは少ないということ。それは自分であったり家族であったりもする。だから、あいつは変わった、というのはものすごく自然なことなのではないかと感じたりする。